専門職はコレを読んで襟を正そう!『ヤバい経済学』

読書ネタ

こんにちは!
医学書より経済学の本の方が好きな
不届きモノのドクターコンちゃんです!

ちょっと前の本ではありますが

『ヤバい経済学』

って本の紹介です。

(最近思ったんですが、
ホントに読みたい本って古い本でも
kindle unlimitedで読み放題になってないんすよね・・・
まあ、読み放題だけでも
読み切れないくらいの本がありますが。)

この本は堅苦しい経済学ではなくて

日常的にみんなが
疑問に思うようなことがらについて
経済学的アプローチでデータ検証してみた

ってな内容です。

取り上げられているネタは色々ありますが、
1990年代にアメリカで犯罪率が減った理由が
ずっと以前に制定された
中絶を認める法律のせいであったということが
この著者たちによって明らかにされたという点は
経済学スゲーと思いました。

日本の相撲業界もネタの一つに挙げられています。

大相撲で八百長が行われている疑惑について
関係者へのインタビューとかするわけでもなく、
力士の組み合わせや勝敗数といったデータだけから
統計学的分析で
勝敗に不自然なトコロがあると
結論を導き出しています。

統計学的手法については、
回帰分析といった
ボクらが治療成績などの
臨床研究で使うものと同様のようです。

それなら、
むしろこの著者たちみたいな経済学者に
ボクら医者の疑問も解決してもらった方が
ハナシが手っ取り早く、
忖度なしにホントのことが分かる気がしてきました(^-^;

あと、この本の中でためになったのは、
『インセンティブ』という言葉の意味です。

我々医師でインセンティブ制度というと、
たくさん患者さんを診たら
給与がアップするといった、
ボーナス制度のことかと思っていました(^-^;

実際は、
『インセンティブ』とは
『誘因』と言う意味で、
人をその行動に移させた原因、
とも言い替えられるものです。

インセンティブには、
給与アップをエサにたくさん仕事させるといった
人をある行動に誘導する面もあれば、
刑の重罰化で犯罪を思いとどまらせるといった、
ある行動を抑制するという面もあります。

逆に、犯罪者にとっては
法律で刑の重さが軽くなることは
犯罪を犯すインセンティブとなる
ってことです。

経済学とは
インセンティブの学問とも言われるそうです。

道徳は、理想とする人間・社会の姿を表し、
経済学は、現実の人間・社会の姿を表すと。

このインセンティブがらみで、
ボクら医療者を含めた
専門家というものの
稼ぎ方について
辛辣な意見が書かれています。

専門家とそれ以外の人の間には、
『情報の非対称性』が存在します。

つまり、持っている情報量が
圧倒的に違う、ということです。

この情報の非対称性を利用し、
専門家自身の利益がインセンティブとなって、
自分がお客の立場であった時とは
異なる対応をお客には取る、
ということで専門家は稼いでいるというコトです。
(なんか、ドキッとします)

それを知るために、著者は、
不動産業者がお客の家を売るときと
業者自身の家を売るときとで
売りに出している期間や
売れた金額が違うかを分析しています。

業者自身が自分の家を売るときは
できるだけ高く買ってくれる買い手を見つけるため、
お客の家を売る時よりも
長い期間売りに出すという傾向が出たそうです。

ボクの過去の記事、

治療方針を決めるのに迷ったとき、医者に聞くべき一言「先生ならどうしますか?」

で述べたように、
サービス提供者自身はどうするのかを知ることが
損しないためにも、やっぱり大事なんだなと思います。

というワケで、
この本を読めば、
世の中の見方が変わり、
損をしないように生きられるかもしれないです。

おススメです。

最後まで読んでくださって、
ありがとうございました~!!!

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