腰椎椎間板ヘルニア手術法 3選(+1)比較!!!

せぼねの話

こんにちは!
せぼねラブ整形外科医のドクターコンちゃんです!

今日は、腰椎椎間板ヘルニアの手術法について、
現在日本で主に行われているもの3つと、
おまけの1つを簡単にご説明します!

腰椎椎間板ヘルニアとは

腰椎椎間板ヘルニアとは、
背骨の前の部分にある骨(椎体)と骨(椎体)の間に存在する椎間板の内部から、
髄核という椎間板の中身が、神経の通り道に飛び出したものです。

腰椎椎間板ヘルニアの手術法

まず、主な手術法は以下の3つです。

1.顕微鏡下椎間板摘出術
2.脊椎内視鏡下椎間板摘出術
3.経皮的内視鏡下椎間板摘出術

さらに、+1(おまけ)として、
  4.レーザー治療 についても触れます。

1.顕微鏡下椎間板摘出術

腰の後ろ、正中の皮膚を2.5~3㎝縦に切開し、
開創器という傷を開く器具を設置し、
顕微鏡で内部を拡大して見ます。

背骨の後ろの骨を少しだけ削り、
神経の脇から、神経の前にある椎間板ヘルニアを取り除きます。

日本で最も広く普及している方法で、長い期間に渡って行われており、
安全性、良好な手術成績が確立されています

2.脊椎内視鏡下椎間板摘出術

近年、普及してきた方法です。

腰の後ろ、正中の皮膚を1.5~2㎝縦に切開し、
細い筒を傷に挿入し、内視鏡で内部を拡大して見ます。

内部で行っていることは、ほとんど顕微鏡下椎間板摘出術と変わりません

傷がやや小さくなること、
筋肉へのダメージが少なくなることが利点とされます。

しかし顕微鏡より視野が狭く、
狭い筒の中で手術器具を操作するため、
やや合併症確立が高く、
手術時間もやや長くなります。

脊椎内視鏡下椎間板摘出術の断面イメージ

3.経皮的内視鏡下椎間板摘出術

日本で導入された、最も新しい方法です。

脊椎内視鏡よりさらに細い筒を挿入して行うため、傷は8mm程度となります。

内部で行っていることは、上記2つと大きく変わりませんが、
骨を削らずに椎間板ヘルニアを取り除くことができることもあります。

傷が小さく、筋肉へのダメージも最小となりますが、
脊椎内視鏡よりもさらに視野が狭く、細い筒の中で操作するため、
難易度が高く、合併症確立が上がり、手術時間も長くなる傾向にあります。

術式の比較を、以下の表にまとめてみました。

①顕微鏡②脊椎内視鏡③経皮的内視鏡
皮膚切開2.5~3㎝1.5~2㎝約8mm
難易度容易激ムズ
手術時間短いやや長いさらに長い
合併症
(危険度)
少ないやや多いさらに多い

皮膚切開や手術時間については術者によって違いがあり、
難易度についてはボクの印象です。

実際に内部で行っていることは
椎間板ヘルニアを取り除くという点で同じであり、
傷の大きさや筋肉へのダメージという点が①→③で少なくなると考えます。

手術部の痛みからの回復という点では、傷が小さいほうが有利です。

しかし、合併症(危険性)というのは、
神経にダメージが及ぶことも含まれます。

熟練した術者であればその確率は下がるとはいうものの、
やはり小さい傷では顕微鏡に比べて危険性が高いことは否めません。

どの術式を行うかというのは、慎重に選択する必要がありますね。

ボク個人は、
現時点で自分が手術を受けるなら顕微鏡下椎間板摘出術が安全、確実だし、
別にこれで十分かなと思っています。

ヘルニアの部位、大きさによっては内視鏡下椎間板摘出術でもそれほど難しくないので、
その場合は内視鏡で受けるのもアリかなと。

経皮的内視鏡については、まだ新しい方法で、
すべての症例で安全に行えるのかどうか
その見極めが難しい
(まだ危険回避のノウハウなどが、
すべての脊椎外科医が安全に行えるほど確立されていない)
と思われるので、今後も世の動向に注目していきます。

4.レーザー治療

最後のおまけです。
手術というより処置という範疇かもしれません。 

過去に一時、流行したようで、ウチの病院でも昔行われていたようです。

ななめ後ろから太い針のような器具を椎間板に差し込み、
椎間板を内部で焼却します。
手術より体へのダメージは少ないです。

しかし、厳密に適応症例を選んでいくと、
ほとんどの患者さんが適応でなくなってしまうため、
現在ではウチでは行っていません

しかも、最近では、コンドリアーゼという注射薬が販売されました。

これは椎間板内に注射をするだけで、
椎間板ヘルニアごと椎間板を収縮させることで、ヘルニアを治すというものです。

外来日帰りで行え、通常の保険診療で受けられます。

コンドリアーゼの適応症例は、
かつてウチで行われていたレーザー治療の適応とかぶると思われ、
ますますレーザーの出番はなくなっています。

コンドリアーゼの登場で、レーザー治療どころか、
手術適応患者さんすら、少し減ってきていると考えられます。

【腰椎椎間板ヘルニアの再発にもコンドリアーゼは使える!?】再発性ヘルニアの治療

まとめ

というわけで、現在日本で行われている、
主な腰椎椎間板ヘルニア手術についてご説明しました!

とにかく、新しい手術には危険が伴うことを肝に銘じながら、
最高に安全で確実な方法を目指し、
さらにアップデートしていきたいと思います!

今日は最後まで読んでくださって

最高にありがとうございました!!!

コメント

  1. ふじ より:

    先生の記事大変勉強になります。私は腰椎椎間板ヘルニアの手術を検討している患者です。脊椎内視鏡下手術・技術認定医脊椎脊髄病医の資格のある整形外科の先生が最新のPED手術を行っているとは限らないということでしょうか?

    • dr-konchan dr-konchan より:

      閲覧&ご質問ありがとうございます!まず結論から言いますと、医師紹介に脊椎内視鏡下手術・技術認定医脊椎脊髄病医とだけ書かれている場合、最も普及しているMEDはやっているけれど、PEDはやっていない場合は大いにあります。
      脊椎内視鏡の認定医には3種類あり、前方内視鏡(1種)、通常の後方脊椎内視鏡(2種)と、経皮的内視鏡(3種)が設定されています。
      病院ホームページで、医師紹介の資格欄に3種と記載されていれば、経皮的内視鏡もたくさんやっているということになりますが、そこまで細かく記載している病院はあまりない気がします。ほとんどの医師は、脊椎内視鏡下手術・技術認定医脊椎脊髄病医とだけ書いてあるなら、最も普及している2種だと思います。
      ただ、PEDをたくさん行っている病院の医師であれば、2種も3種も持っている可能性は高くなります。
      実際は、それぞれの資格がなくても手術をすることはできるので、PEDをご希望の場合は、年間手術実績でPEDが多い病院を選ぶほうが、経験の多い医師が多いわけですので、良いかと思います。
      ただし、すべてのヘルニアがPEDで治せるかどうかもまだ不明なので、PEDを多く手掛けている先生でも、MEDを提案されることもあるかとは思います。

  2. ふじ より:

    お忙しい中、ご丁寧な回答ありがとうございます。とても参考になりました。 これからも先生の記事やYOUTUBE読ませていただきます。

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