幼い頃は007などのスパイ映画を見て
危険と隣り合わせに世界を救う
ハードボイルドな生き方かっこええ～と思いましたが、
オジサンになると安全第一、安全第一と
危険から遠ざかるのが正義になっているのに気付いた・・・
麻雀では安パイしか切らない
ドクターコンちゃんです！
『SPY×FAMILY』
流行ってますね～
医者たるもの、
日々の診療に生かすべく世間の流行もある程度知っておかねばと
医学書そっちのけでSPY×FAMILYに関する知見も広げております。
（ちなみにまだ役に立ったことはない）
（以下、多少のネタバレも出てきますので最新刊を読んでない方はご了承をm(__)m）
さて主人公のロイド・フォージャーさんですが、
スパイという身分を隠すため
精神科医として病院勤務もしております。
まあ漫画だからね・・・と流してもよいのですが
一応現役医師であるボクとしては
ちょっと引っかかるワケですよ。
劇中の病院には、スパイ組織の仲間も病院スタッフとして潜りこみ
ロイドがニセ医者だとバレないようにサポートしているのもあるようですが
ロイドさんは一般の病院スタッフにも大変ウケがよく
完全に医師として溶け込んでいます。
イケメンで優秀で優しくてモテモテな医者だと～？！
そんなもん裏のあるニセもんに決まってるわ～( ｀ー´)ノ
などと嫉妬しているわけではないんですが。
（してますね）
ところで医師免許持ってなくても
（法的な問題は置いといて、技能として）
医療行為は可能なのでしょうか？
現役医師としての答えは・・・ある程度は可能ですね。
実際に無免許で診療を行っていた人が逮捕された事件がありましたね。
患者さんの話を聞いて、薬を処方する程度であれば
素人でも勉強していれば、ある程度はできちゃいます。
ロイドさんのように精神科領域であれば
そういった診療内容が多いと思われるので
そこそこ誤魔化せちゃうかもしれません。
（精神科ドクターをディスっているわけではありませんよ。
正しい診療には正しい知識と豊富な経験が必要ですから。）
しかもスパイなら
他人をだましたり
他人の信頼を得て情報を聞き出したりするため
心理学には精通しているでしょうから
精神科領域に生かせる知識も持ち合わせていそうです。
ただ、患者さんの体に触れて身体所見から疾患を類推したり、
注射、手術といった体で覚える技術についてはトレーニングが必要なので
ロイドさんのようなスパイが
明日からいきなり外科医の真似をするというのは難しいでしょうね。
あ、でもロイドさんは昔兵士として戦場に出ていましたね。
前線の兵士は軍医がいない状況で
仲間のけがの治療をする必要性があるため
虫垂炎（いわゆる盲腸）のオペくらいできる人もいると聞いたことがあります。
だったら、ロイドさんならちょっとした外科処置もできる可能性も・・・
日々診療を行っていて、
医師でなくてもできるんじゃないかという仕事は数多くあります。
ボクら医師免許を持っている人間と、
無免許でサギ診療を行う人間との違いは
法的に認められているかどうかだけ、と考えると
少し気持ちが萎えます。
しかも最近は
画像診断や病理診断といった診断技術については
AIのほうが優れているのではといわれており、
将来的に間違いなくそういう仕事はAIに取って代わられますし、
さらにはAIが診断し、AIが処方をする時代になりそうな気がします。
もはや診療を行うのは無免許医どころか
人間である必要もなくなっていくワケですよ。
そうすると
ボクらが医師としてのアイデンティティーを確立する最後の拠り所は
オペなどの技術しかないかな、と思います。
ロボット支援手術というキーワードもありますが
今のところ、皮膚を切開したりロボットアームを操作するのは
あくまで医師なので
AIが全部やってくれるオペはありません。
ただAIの支援により、
術中の人的ミスを減らせるようにはなると思います。
ニセ医師には絶対にマネできない経験と技術を持っているという自負を抱きつつ
AIをも使いこなす医師を目指したいものだなと。
そして
いつか超えてみせるぜ
ロイド・フォージャー・・・！！！
（だから相手は医師ではない）
どうして、たかが漫画の設定にそこまで飛躍して考えてしまうのか
自分の妄想癖に辟易しながら
最後まで読んでくださって
ありがとうございました～！！！
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