腰部脊柱管狭窄症の主な手術法、除圧術とは?

せぼねの話

こんにちは!
脊柱管も人も、圧力は加わらない方がいいですよね・・・
ドクターコンちゃんです!

今回は、腰部脊柱管狭窄症の代表的手術法、除圧術についてご説明します!

腰部脊柱管狭窄症について

腰部脊柱管狭窄症の簡単な説明です。

まず、腰のせぼねの真ん中はトンネルになっていて、
脚にいく神経の通り道になっています。

これが脊柱管です。

腰の脊柱管なので腰部脊柱管といいます。

腰椎を後ろから見た図
腰椎を横から見た図

腰部脊柱管狭窄症は、神経の通り道(脊柱管)の後方にある、
黄色靭帯が分厚くなって、神経を締め付ける病気です。

症状としては、歩いた時に脚の痛みやしびれが出ます。

腰部脊柱管狭窄症の模式図(横から見た図)

除圧術とは?

腰部脊柱管狭窄症の主な原因が、黄色靭帯によって神経を押されることですから、
黄色靭帯を取り除くことが手術の目的になります。

この方法を、ボクらは除圧術(または後方除圧術)と呼んでいます。

椎弓切除術や、椎弓形成術とも呼ばれます。

他の良く行われている手術に、固定術と言うモノもありますが、
これは、上下の骨の配列がずれていたり、背骨がグラグラして不安定になっているなど、
ほかの要素が含まれている場合に行われるものなので、今回は割愛します。

除圧術について、簡単に方法を説明します。

除圧術の実際

背骨の後ろの骨を少し削る

背中側から手術しますので、
患者さんに全身麻酔で眠ってもらってから、
腹這いの姿勢をとらせて頂きます。

傷の大きさは、傷の内部を覗く器械によって変わります。

顕微鏡を用いた手術なら傷は2.5~3㎝、脊椎内視鏡なら1.5~2㎝、経皮的内視鏡なら8mm程度となります。

ウチでは現在、顕微鏡での手術が主です。

中で行う方法はいずれもほぼ同じで、まず、背骨の後ろの壁を少し削って、脊柱管の中が見えるようにします。

腰椎を後ろから見た図

黄色靭帯を取り除く

骨に開けた窓から脊柱管を見て、後ろから神経を圧迫している黄色靭帯を取り除きます。

その他にも、骨の壁によって神経が押されている場合もあるので、
その場合は邪魔になっている骨も取り除きます。

手術前の腰を横から見た図
手術後の腰を横から見た図

まとめ

今回は、腰部脊柱管狭窄症の主な手術である、除圧術について簡単に説明しました。

脚の痛みやしびれを楽にするための手術ですが、たまになかなか症状が良くならない人もおられます。

そういう場合は、椎間孔狭窄という病態が隠れていたりして、
後に固定術が追加で必要になることもあります。

以前の記事、腰部脊柱管狭窄症の手術後に残った症状の原因4選!!!もご参考にしてください。

腰部脊柱管狭窄症の術後に残った症状の原因4選!!!

ちなみに、顕微鏡、脊椎内視鏡、経皮的内視鏡という、内部を覗く器械の違いによって、
傷の大きさが違うけど、中でやってることは同じと書きましたが、
これは腰椎椎間板ヘルニアの手術の時と同じですね。

術者側としては、顕微鏡手術の方が、圧倒的にやりやすくて、
安全で速くて確実と思ってますけどね(^-^;

ボクも今現在は、腰部脊柱管狭窄症の除圧術については、顕微鏡手術をやっています。

以前の記事、腰椎椎間板ヘルニア手術法 3選(+1)比較!!!も参考にしてみてください。

というワケで、最後まで読んでくださって、
ありがとうございました~!!!

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