貴景勝関も受傷した頸椎椎間板ヘルニアとは!?

せぼねの話

こんにちは!
相撲経験はありませんが、
日本人力士の活躍にはご多分に洩れず熱くなってしまうドクターコンちゃんです!

令和3年7月5日の大相撲の取り組みで、
大関の貴景勝頚椎椎間板ヘルニアを受傷したという報道がありました。

ビデオを見直すと、貴景勝関が頭からぶつかって、
その後、力なく押し出され、
しばらく土俵外で動けなくなっていました。

直後は、脚にも力が入っていないようだったので、
脊髄損傷が起きたのかと大変心配しましたが、
報道では頚椎椎間板ヘルニアによる神経根症であるとのことでしたので、少し安心しました。

というわけで、今回は頚椎椎間板ヘルニアについて解説します!

頚椎椎間板ヘルニアとは

頸椎の構造の簡単な説明

頚椎を正面から見た図
頚椎を左横から見た図
頸椎を後ろから見た図

頸椎(首のせぼね)を正面から見ると、
骨(椎体)と骨の間に、
椎間板という、軟骨のクッションのようなものが挟まっています。

せぼねの中心は筒のようになっており、
真ん中に脊髄という、
脳からつながり全身に行く神経の束が通っています。

さらに、脊髄から左右に神経が枝分かれしますが、これが神経根です。

神経根が骨の穴(椎間孔)から骨の外に出ていき、これが集まってウデに行きます。

椎間板ヘルニアとは

椎間板ヘルニアとは、椎間板の中身が、後ろの脊髄や神経根が存在する神経の通り道に飛び出したものです。

発症時は、まず首に激痛が走ります。

さらに、椎間板ヘルニアの飛び出す位置によって、大まかに脊髄症か神経根症かに分けられます。

これによって、手足の症状に違いが出てきます。

椎間板ヘルニアの図(左横から見た図)

脊髄症

中央の脊髄を椎間板ヘルニアが圧迫すると、腕、脚など全身の痛み、痺れ、動かしにくさ(麻痺)を生じます。

これを脊髄症といいます。下手をすると全身まひも起きますし、緊急手術が必要なこともあります。

神経根症

右か左の、ウデに行く神経根を圧迫すると、腕や手だけに痺れ、痛み、動かしにくさがでます。

これを神経根症と言います。脊髄症に比べて自然に症状が治りやすく、緊急性は低くなります。

頚椎の断面図(輪切りにして見た図)
【頚椎椎間板ヘルニアの症状】Dr.近藤祐一のせきつい教室 Part 7│はちや整形外科病院youtubeチャンネル

スポーツと頚椎椎間板ヘルニア

以前から、スポーツが原因で起きる頚椎椎間板ヘルニアの報告は多くあります。

特に、頭が他人にぶつかることが多いコンタクトスポーツで起きやすいとされます。

例えば、ラグビーアメフト(アメリカンフットボール)では、
頭からタックルした際に首を傷めて、
頚椎椎間板ヘルニアなどを発症することがあります。

場合によっては、脊髄損傷で全身まひが出現することもあり、
このことはスポーツ医学分野では良く知られています。

そのため、ラグビーやアメフトでは、
首を傷めない正しいタックルの仕方が指導されています。

その他のスポーツでは、
レスリングでも同じような理由でタックルで受傷することがあります。

今回の貴景勝関も他の種目と同じように、
頭がぶつかるときに首に無理な力が加わり受傷したものと思われます。

そういう目で立ち合いのビデオを見直すと、
首が無理やり、ややのけぞるような体勢となり、
同時に相手の胸で頭部が押さえつけられるような力(軸圧)が加わっているようですね。

幸い、緊急性の高い脊髄症ではなく、
比較的症状が治りやすい神経根症とのことです。

頚椎椎間板ヘルニアの治療

脊髄症の場合

脊髄症の場合、首の痛みに加えて、
両手両足ふくめて全身まひ症状が出ることもあるので、
その場合、緊急手術が必要になることもあります。

しかも一度、脊髄にダメージが加わると、
完全には元通りまで治らない事が多く、
何らかの症状が残る可能性が高くなります。

神経根症の場合

保存的治療(手術以外の治療)

神経根症の場合は、首の痛みと、片方の腕の痛み、痺れが主な症状です。

この症状は、自然に治まってくることが多いです。

それまでの間、鎮痛剤やブロック注射、
リハビリテーションなどで痛みを抑えてあげることになります。

症状が消えるまでの期間には個人差がありますが、
早ければ1か月以内、場合によっては3~4か月かかる人もいます。

手術治療

さらに長期間に渡って症状が続く場合は、
手術で治すこともあります。

痛みが強すぎて、早く治したいという場合に、
早期の手術を希望される方もいます。

【頚椎椎間板ヘルニアの治療】Dr.近藤祐一のせきつい教室 Part 8│はちや整形外科病院youtube

ヘルニアは自然に消える?

腰椎椎間板ヘルニアと同じように、
頚椎椎間板ヘルニアも体が治そうとしてくれるので、
自然に消えていくこともあります。

ただし、自然に消えないタイプのものもあります。

また、症状が消えるまでの期間と、
頚椎椎間板ヘルニア自体がMRI画像で消えるまでの期間については一致しないこともあります。

つまり、画像検査ではヘルニアは消えていないけれども、
痛み、痺れは消えていることも多い、ということです。

つまり治療は、あくまで症状次第という事になりますね。

まとめ

頚椎椎間板ヘルニアについて簡単に解説しました。

貴景勝関の症状は脊髄症ではなく神経根症とのことですので、
自然治癒も望めるかと思われます。

力士のようなコンタクトスポーツのトップアスリートの場合、
いったん症状が治まっても、
今後も同じような力が首に加わるリスクが高いため、
復帰の際も心配が尽きません。

兎にも角にも、貴景勝関の一日も早い回復を願います。

最後まで読んでくださって
ありがとうございました!!!

貴景勝関が受傷した頚椎椎間板ヘルニアとは!?

コメント

  1. 木本 より:

    近藤先生、先日先生に腰痛椎間板ヘルニアの手術していただいた者です。 術後は下肢の痛みはかなり軽減され今まで座れなかったのに座って食事をとることもできるようになりました。 本日早速退院しました。 先生を信じて手術してよかったと思っています。 仕事もこれから頑張りたいと思います!

    本当にありがとうございました😊

    これからもYouTube、ブログ拝見させていただきます!

    僕もYouTubeやってるので、YouTubeと本業の接客業頑張りたいです!

    はちや整形外科に行って、近藤先生に出会えて本当に僕は幸せです!

    • dr-konchan dr-konchan より:

      コメントありがとうございます!
      元気になられて、ボクも嬉しい限りです。
      腰をいたわりながら、お仕事頑張ってください。
      また外来で経過をお聞かせください。

      ボクのYouTubeやブログは趣味みたいなもんですので、
      隙間時間にボチボチ更新できればと思っています。
      見て頂ける方がいると励みになります!
      お互いYouTubeも頑張りましょう!

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