オペを受けたがらない外科医たち

医者雑談

こんにちは!
オペは好きだがオペを受けるのはコワイ、
ドクターコンちゃんです!

冒頭から身勝手な意見を述べてしまいましたが、
ほとんどの外科医のホンネじゃないでしょうか?

医者の不養生は当たり前

そもそも医者の不養生や
医者の受診嫌いはよくあります。

他人の事ならいくらでも正論を言えますが、
自分の事になると話が変わる。

タバコを吸う医者や
運動不足でメタボな医者
大酒飲みな医者
寝不足医者
不規則な食生活の医者
忙しくて人間ドック受けない医者・・・

ああ、あるある。いるいる。
(知り合いの先生、スミマセン。
あなたの事じゃないです、多分(^^;))

まあ、寝不足とか不規則な食生活については
救急やってる忙しい総合病院勤務だと
みんなそうなりがちです。

データが示すことは正しいし、
アタマでは理解できるのだけど、
自分を律するのは難しい・・・

結局、自分の事になると
医者も一般の人と変わらない側面もあるかなと。

自分の病気を自分で何とかしようとする医者

ちなみに医者が
自分の専門外の領域の症状を発症した場合、
敢えて受診せずに
自分で何とかしようとするコトも多いのではと思います。
(それともボクだけ?)

自分で文献調べたり
他科の先生に質問したり
ネット上の胡散臭い情報を見分けられたり
医療知識の集積については
一般の人に比べてアドバンテージがあります。

そして、大方この疾患じゃないかなと検討つけて
診断と治療法の確認のためにやっぱ受診しよう
自分じゃ治せないから受診しよう
となるかなと。

(ボクだけですかね?)

もちろん
すぐ受診する先生も大勢いると思いますが。

医者自身の体にオペが必要な時

自分の専門外の疾患で、
オペが妥当と専門家が判断した場合は
もちろんオペ受けます。

では
自分の専門領域の疾患にかかったらどうか。

特に、オペするかどうするか、という時。

自分の専門だと、
なまじ知識も経験もあるので
他の先生を信用できるかどうか、
少なくとも自分と同等以上の能力があるかどうか、
っていう点が気になっちゃいます。

以前の記事
『名医の見つけ方~中の人にしか良い医者は分からない』
にも書きましたが、
自分がやってるオペでないと
他人がやってるオペが上手いかどうかは
見分けがつきません。

逆に、自分がやってるオペについては
相手が自分より上手いかヘタかが分かっちゃうので
体を預けるかどうか
いらんところで迷っちゃうかもです(^^;)

医療漫画『医龍』24巻のエピソードで
主人公である天才外科医、朝田龍太郎が胸部に大怪我し
自分の直属の部下である研修医の伊集院登に
自分のオペを執刀させるというシーンがありましたが

すげえなあと心底思いました。

心臓のオペなんで
現実世界ではあり得ない話ですけど、
上司マインドとしては
カッコいいなと思いました。

この研修医が(妄想で?)聞いた
昏睡状態の主人公の心の声
「オぺやりたいだろ?」
っていうトコロ、
この世界にいる者だけに
ジーンとくるものがありました。

しかし、執刀する側にしてみても
相手がドクターってだけで
いつもと違う緊張感があったりしますが(^-^;

さらに自分の上司て(>_<)

オペを受けたがらない外科医たち

上記の医龍のケースなんかは
救命のためにいずれにせよオペ必要なんで
誰かに執刀してもらうしかないんですが、

ボクら整形外科の疾患って、
命には関わらないけど
「痛い」っていう症状が主なので
オペ受けるかどうかは
本人次第ということも多いです。

ボクが研修医の頃、
腰のオペしまくっていた
ある高名な脊椎外科医が、

高名な脊椎外科
高名な脊椎外科

オレの奥さんの腰椎椎間板ヘルニアは
半年ゴロゴロ寝かせて治したわ。

と言ったのは衝撃でしたね。

もちろん、ヘルニアは自然に治ることも多く
必ずしもオペ適応ではなかったのだと思いますが(^^;)

さらに

高名な脊椎外科
高名な脊椎外科

オレもヘルニア持ちやけどな!

ドクターコンちゃん
ドクターコンちゃん

!!!

まあ、ヘルニアの症状の程度にもよるのですが、
まだ純粋(?)だった若いボクは

ドクターコンちゃん
ドクターコンちゃん

人の体はオペするくせに
自分の体は切らせないのかな・・・?

って、
恋人に裏切られた女子みたいな
複雑な気分になっちゃいました。

また他の医師からも、
自身はオペは受けたくないということを
聞いたことがあります。

医者だって自分の病気もオペも怖い

そういえば
「私、失敗しないので」でおなじみのテレビドラマ
『ドクターX~外科医・大門未知子~』シーズン5
主人公の大門未知子が、
自分の後腹膜肉腫のオペを
普段はオペが下手だとバカにしている
同僚医師たちに執刀してもらってました。

そしてシーズン6で、
後腹膜肉腫のオペを拒否する患者に対し
自分がオペを受ける前の気持ちについて
「怖かった」と泣いて訴えるシーンがあります。

真実だなあと思いました。

実際に、
自分の体の病気について知ることや
自分がオペを受けるというコトについては
医者だって怖いワケです。

だから自分自身は
受診したがらなかったり
オペ受けたくなかったりもするワケですね(^^;)

一般的に
患者さんについて言えば、
自分の疾患を理解して
受け入れることが
治療の第一歩だと思います。

とは言え、
自分自身が受け入れるのは
医者でもなかなか難しいのではないか
とも思います。

まとめ

というワケで、
結局医者も人間なので
自分の病気をすんなり受け入れるのは難しく
オペを受けるのも怖いというコトです。

普段、仕事で患者さんに相対する時は
あくまで仕事、
つまりは他人事なので
客観的、データ的に正しいこと
正論、一般論をお話します。

しかし実際は、
自分の病気を知ることや
治療法を選択する時には
感情が絡むので、
いざ自分の身になってみると
冷静に正しい選択をすぐ下せないことも
多いんじゃないかなと。

普段の診療でも
患者さんの病気を
我が身のこととして考えたときに
医者の本当の答えが出る気もします。

しかし、先述のように、
医者でも自分の病気に対しては
拒否的な反応を示す場合もあり、
真に自分の事として想像するのは
なかなか難しいです。

要は自分が病気だとは
考えたくないと。

でも自分が痛い思いをしなければ
他人の痛みは分からない
というのも事実です。

しかし、すべての疾患に
医者自身がかかるというコトは
そもそも無理なので
できるだけ想像し、共感し
できるだけベストな方法を
提案できればと思います。

ボク自分が病気になったときの
自分自身の反応を知る
シミュレーションにもなりますしね(^^)

ということで、
受診嫌いな(^^;)ボクの思いでした。

最後まで読んでくださって、
ありがとうございました~!!!

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