『呪術廻戦』夏油傑(げとうすぐる)がひねくれた理由にやや同情 ~呪術師も医師も報われたい

映画な話

こんにちは!
ドクターコンちゃんです!

2021年末より『劇場版 呪術廻戦0』が上映されておりますね。

新型コロナ大流行の最中、なかなか映画にも行けませんが、
原作はおうちでもポチれば読めます。

(以下、ややネタバレあるのでご注意を!)

夏油傑(げとうすぐる)がひねくれた経緯

さて、今作での宿敵は夏油傑(げとうすぐる)という呪術師ですが、
呪術師以外の人間を消してしまおうとたくらむ、
ヒトラーさながらの選民思想の持ち主です。

もともとは良い呪術師の仲間だったようですが、
いつからかおかしな考えに憑りつかれるようになります。

この漫画のシリーズを読んでいくと、
そこらへんのエピソードが出てきます。

夏油は呪霊を祓い、黒い球に変えて口から飲み込むことで
呪霊を自分のしもべとして使えるようになります。

この球が、涙ぐむくらい不味いらしいです。

夏油は、人間のために身を賭してたくさんの呪霊と戦い、
呪霊の不味さを我慢し飲み込みます。

9巻の中で夏油たちは、一般人で構成される宗教団体による、
ある少女の殺害計画を阻止しようとしますが、
夏油は少女の命を救えませんでした。

その頃から誰のために仕事をしているのかという自問自答が始まります。

極めつけは、呪霊騒ぎが起きたある村を助けに行った時に、
生まれつき呪力を持った二人の少女が
村人によって幽閉されている所に遭遇します。

村人は少女たちのせいで呪霊騒ぎが起きたと誤解していたようです。

そこから夏油の選民思想が始まりました。

結局は、自分が身を挺して助けている人たちが悪い人たちだったり、
一般人の無知からくるとは言え、自分たちのことを認めてもらえなかったり
時には逆に悪意をもたれていると知った時、
もう助けるのやーめたっ
むしろ自分たちを虐げる人たちなんかいなくなってしまえ
という、やや子供っぽい心境になったものと思われます。

まあ、呪霊や呪術師は世間に公表されていないので、
一般の人に基礎的な理解は得られようもありませんし、
認めてもらえないというのはしょうがないかもしれませんが(^-^;

被害妄想に憑りつかれ、
いい人間もたくさんいるという事実に目がいかなくなり、
一般人を敵と見做すことで
現実の苦しいジレンマから、楽な方に逃げようとしたのかもしれません。

呪術師も医師も疲弊したらバーンアウトする

オカシナ思想を持った強敵というのは
ヒーローものには付き物です。

ただ、夏油が壊れていく最中の様子を見ていると
職業柄、同情する面もあります。

ボクら医師もできるだけたくさんの患者さんを助けようとしていますが、
病院によってはほとんどプライベートの時間もなく、
家族への罪悪感に苛まれ、
身体的、精神的に参ってしまうようなブラック労働のこともあります。

さらに、良かれと思って自分にできる最善の選択をしたつもりでも
結果が悪かった場合に、あらぬ誤解から
患者さん側からの非難にさらされること、訴えられることもあります。

現実的ではない無理難題を要求する人、暴言を吐く人もいます。

稀なケースですが、同情の余地もないような
凶悪犯罪者を治療しなければならないこともあるでしょう。

それが仕事でしょ、と言われればそうですし
価値観と仕事とをドライに切り離して考えられれば良いですが、
マジメで優しい医師ほど、精神的に追い詰められがちです。

疲弊した医師がバーンアウトし、
立ち去り型サボタージュと言われるように
救急病院のような忙しい所を辞めていくこともあると指摘されています。

まともな医療はもうやりたくない、
自分の人生のためだけに仕事するんだ~
ってなる医師もいなくもないかと(^-^;

これは仕事を選ぶ、すなわち患者さんを選ぶという点において
夏油の思想にやや近くなってしまいます。

呪術師も医師も報われたい

ホンネを言ってしまえば
誰かのために働くのって、
相手から認められたい、感謝されたい、ホメられたいっていう感情が
根底にはあります。

呪術師でも医師でもボランティアでもそうでしょう。

鬼のように忙しくても
患者さんから感謝されると報われた気がします。

マズローの言う、社会的欲求や承認欲求の一種ですかね。

人間の心のガソリンタンクは
精神的報酬とか休暇とかで給油してあげないと
いつか空になってしまうと言いますしね。

夏油も、自分たちの存在が公に認められ、
誰かが苦悩を理解し
人から感謝されるようであれば壊れずに済んだかもしれません。

(あと、仕事とのバランスを取るために
バカンスが必要だったのでしょう(^-^;)

いつかのスーパーヒーロー
いつかのスーパーヒーロー

誰にも認められなくても
誤解されても
オレの信じる正義のために
オレは人を助け続ける・・・

なんてのは、
やっぱりフィクションのスーパーヒーローくらいでしょう。

かくいうスーパーヒーロー、スパイダーマンも
悪意のある新聞から悪者と叩かれ
プライベートもうまくいかず
“I’m spider man, no more”(もうスパイダーマンなんてやりたくないよ!)
って言ってましたし。
(2004年 スパイダーマン2より。)

まとめ

人類の敵として描かれているキャラの心理に
自分を投影するのも不健全な気もしますが、
この話を読んだ時から、

ドクターコンちゃん
ドクターコンちゃん

わかるわ~、夏油。
わかるわ~

って、一人でコッソリ、部分的に共感したのは内緒です。

ボクら医師が夏油みたいな選民思想に囚われたら大変なことになりますが
ココロのガソリンが枯渇してしまわないよう気をつけねばと思います。

自分でガソリンを補充して、
心の余裕をなくさないようにしたいと思います。

また、人から認められたい、感謝されたいばかりではただのtakerですので
人に対する感謝の気持ちを忘れず
他人にもガソリンを入れてあげるように心がけたいと思います。

(↑おお、ココが夏油とは違う、と一人で安心)

最後まで読んでくださって、
特級ありがとうございました~!!!
(ちなみに特級とは一番強い呪術師や呪霊の称号)

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