アルコールは腰痛に悪い!?

せぼねの話

体に悪いと知ってはいても
断酒はつらいから節酒で誤魔化している
ドクターコンちゃんです!

さてボクも御多分に洩れず医者の不養生を地で行く生き方をしてきましたが
若い時分にはなかった腰痛や体のあちこちの痛みを感じることが時々あり、
腰痛とアルコールの関係についても気になるワケです。

結論から言えば
アルコール摂取が腰痛発症のリスクになるという論文もあれば
両者に関係はないとする論文もあり
現時点では少量でもアルコールを飲むと腰痛が起きやすいのかどうか何とも言えません(^^;)

(アルコール飲料好きとしては喜ぶべきか否か・・・)

ただ、腰痛に限らず、痛みという大きなくくりで言えば
アルコールは悪影響がありそうです。

こんな論文がありました。

From Pleasure to Pain, and Back Again: The Intricate Relationship Between Alcohol and Nociception
(喜びから痛みへ、そしてまた繰り返す:アルコールと侵害受容(または痛覚)の複雑な関係)

Robins MT et al. Alcohol Alcohol. 2019 Dec 1;54(6):625-638

アルコールは昔から、痛みを和らげる麻酔のような作用があると知られていました。

そしてアルコール使用障害(要はアルコール依存症)と慢性疼痛の関係については以前から報告されており、
この論文では、現時点で分かっていることについてレビューしています。

難しいメカニズムについては無視して、気になった要点は以下の通り。

a) アルコールは痛覚過敏を引き起こす
b) アルコールは痛みと痛覚過敏を和らげる
b) 慢性の痛みはアルコール再摂取の危険因子となる

アルコール摂取で痛みを感じやすくなり → 痛みを和らげるためにまたアルコールを摂取する → そしてアルコール依存症になる・・・

アルコールを飲むと皆が皆そうなるわけではありませんし、
アルコール依存症の人すべてが、痛みを原因として依存症になるわけでもありません。

ただアルコールに神経毒性があるのは確かですし、長期に飲みすぎるとアルコール性ニューロパチーといって、全身至る所の末梢神経に障害が起き、痛み、痺れ、感覚低下などを引き起こす病気にもなります。

嗜み程度の晩酌でも痛覚過敏が起きるのかどうかは分かりませんが、
(当たり前ですが)少なくとも飲みすぎはいけませんね(^^;)

しかし、アルコールの効能(?)とも言える
痛みを緩和するという作用について思いをはせると、

体の痛みも、心の痛みも和らげる魔法の液体、なんて
文学的表現に酔ってしまいそうです(-.-)

(酒を擁護するようなこと書くと、医者として、はしたなく感じます・・・(>_<))

結局、腰痛とアルコール摂取の関係についてははっきりしないままですが、
痛み全般に対してはやっぱり良くなさそうです。

ただタバコほどは腰に悪いと言われていないので
適量なら良いかと、また自分に都合よく考えてしまったりもします。

(なんだか依存症っぽい自己正当化になっていないか気になります。)

きっと、アルコールは全く飲まない方が体にはいいと思います。

自分にとっての適量なんてのもホントは分からないですし
適量と呼ぶより、
体がアルコール毒性に耐えられる限界量とでも呼んだ方が
自制心が働いていいかもです。

あくまで自己責任で
毒を喰らっているんだと。

というワケで、アルコール肯定のための言い訳くさくなってしまいましたが
体に悪いことは大抵腰痛にも悪いので
アルコールは(できるだけ)やめましょう!

最後まで読んでくださって、
ありがとうございました~!!!

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