せぼねの話

慢性腰痛の治療の基本は、オペ以外の保存的治療です。しかし、頑固な腰痛に悩まされる患者さんの中には、オペで何とかならないかと期待されて受診される方も少なくありません。しかし、腰痛だけの症状の場合、オペで良くなる可能性は半々といったトコロです。

腰椎椎間板ヘルニアが治った後、不運にも再発してしまうことがあります。腰椎椎間板ヘルニアに対するコンドリアーゼ注射という治療法がありますが、再発でも、ヘルニアのタイプさえ適応していれば使用できます。再手術を避けるのにも、良い選択肢と考えます。

腰部脊柱管狭窄症に対する主な手術法は、除圧術（後方除圧術）と呼ばれるものです（椎弓切除術や椎弓形成術とも）。顕微鏡、脊椎内視鏡、経皮的内視鏡のどれを使うかで傷の大きさは変わりますが、内部の操作はほぼ同じで、黄色靭帯を取り除くことが目的です。

腰椎椎間板ヘルニアの新しい治療として、近年日本から発売されたコンドリアーゼ（商品名：ヘルニコア）という注射薬があります。これまでは自然に治らないヘルニアに対しては手術しかありませんでしたが、タイプによっては、コンドリアーゼ注射だけで治ります。

頚椎椎間板ヘルニアの手術法は、世界的スタンダードは前方除圧固定術です。しかし近年、前方除圧固定術の問題点を回避するために、いろいろな新しい手術法が行われるようになってきました。今回は、日本で主に行われている術式5つについて説明します。

令和3年7月5日、大相撲で、大関の貴景勝が立ち合いの際に、頚部の激痛を感じ、一時動けなくなる事態になりました。報道では頚椎椎間板ヘルニアによる神経根症とのことですので、自然に治ることを祈ります。今回は、頚椎椎間板ヘルニアについて解説します。

前医に腰椎椎間板ヘルニアと言われて、手術を希望して受診される方がいます。しかしその中には、椎間板変性（椎間板の老化）だけの偽ヘルニアも含まれています。腰痛だけの症状だと、手術で良くなる可能性が低くなります。これについて詳しく説明してみます！

腰部脊柱管狭窄症の手術後でも脚の痛みやしびれが良くならない方が稀におられます。原因は何なのでしょう？世の脊椎外科医に様々な理由は挙げられていますが、見逃されがちな疾患として椎間孔狭窄というものもあります。ボクの経験を交えて説明してみます！

腰椎椎間板ヘルニアの手術は、従来は大きく皮膚を切開し肉眼で行われていましたが、手術用顕微鏡と開創器の開発で、より安全、確実、小さい傷になりました。近年さらに小さな傷の脊椎内視鏡手術が導入されました。現行の術式3選（+1）について解説します。