こんにちは!
自分がオペした患者さんのヘルニアが再発すると、ガックリ膝から崩れ落ちてしまうドクターコンちゃんです!
以前の記事で、腰椎椎間板ヘルニア治療の救世主!?コンドリアーゼ注射とはというのを書きました。
外来患者さんからも、たまにこんな質問があります。

腰椎椎間板ヘルニアの再発でも、
コンドリアーゼ注射は使えますか?

使えます!
もう答えが出たので終わりにしても良いですが(^-^;
もう少し説明します。
再発性ヘルニアとは?
過去に、腰椎椎間板ヘルニアになって、一旦治ったものの、
再び同じ個所で椎間板ヘルニアを再発することがあります。
そもそも、椎間板というのは、おまんじゅうみたいな構造になっていて、
内部に髄核というあんこ部分が入っています。
このあんこである髄核が、後ろの神経の通り道に飛び出すのが椎間板ヘルニアです。
飛び出した髄核が分解、吸収されて、自然に治るにせよ、
手術で取り除くにせよ、
飛び出した部分だけ無くなるワケで、
まだまんじゅうの内部に、あんこは残っています(お菓子だったらうれしいフレーズですね(笑))。
この、残り物のあんこ(髄核)が、
再び飛び出して神経を押してしまうのが、
再発性ヘルニアなのです。
再発性ヘルニアの治療法
ハッキリ言って、治療は初回のヘルニアと同じです。
・保存的治療(鎮痛剤、神経根ブロックなどの注射、リハビリテーションなど)
・手術
・コンドリアーゼ
まずは、保存的治療で痛みを抑えて、体が自然に治してくれるのを待ちます。
それが無理なら手術もしくはコンドリアーゼ、となります。
再手術は少し難しくなる
ただ問題は、再手術となると、ちょっと手術自体が難しくなるんです。
一回目の手術で神経の通り道を開けてしまうと、
瘢痕組織という新しい肉のようなものがたくさんできて、
周囲の組織とベッタリくっつく(癒着)ことが起きます。
この瘢痕組織が神経の周りをがっちり囲んでくっついてしまうので、
2回目の手術では、瘢痕組織のため、神経がどこにいるのか分かりにくくなってしまうのです。
もちろん、再発性ヘルニアに対してはそれなりの対処法があるので、手術可能ですが、
やや難しく、危険を伴うので、
慣れていない術者だと敬遠してしまう可能性もあります。
コンドリアーゼ適応のタイプなら、再発性ヘルニアでも使える
再発性ヘルニアでも、コンドリアーゼ注射に適応のあるタイプなら、
コンドリアーゼは使用できます。
経験的にも、再発性ヘルニアの患者さんに使用し、
治った例は複数あります。
日帰りの注射だけで治るのですから、
難しい手術をできればしたくない術者にとっても、
また痛い手術を受けたくない患者さんにとっても、
お互いハッピーになれる選択肢ですよねっ!(^^)!
ただ、コンドリアーゼは一生に一回しか使えない薬ですから、
以前使っている人は使えません。
まだコンドリアーゼが発売されて間もないため、
昔コンドリアーゼを使って治った後に、
同じ部位で再発したという患者さんの経験はありません。
将来的には、もしかしたらそういう人も出てくるかもしれないので、
一度使った人は忘れずに主治医に伝えてくださいねっ。
まとめ
というワケで、再発性ヘルニアにも、
ヘルニアのタイプさえ適応なら、
コンドリアーゼは使えるというお話でした。
しかし、一度手術をした患者さんが再発すると、
術者側としても結構ショックです。
もちろん、患者さんはもっとショックでしょう。
不運にも発生した再発性ヘルニアについても、
お互いにベストな方法を選んでいきましょう!
最後まで読んでくださって、
ありがとうございました~!!!
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